研究概要 |
放出粒子^7Beとそのγ線の同時計数用の散乱槽の製作が終わり、γ線検出器をGSO結晶でテスト的に4個設計し、γ線源を用いてその分解能,検出効率,計数率に対する特性等を調べた。この結果NaI結晶に劣らない特性を持つ検出器が製作できた。γ線源を用いたテストはすべて完了し、あと^7Liビームによるインビームでのテストが残っている。また、標的からのγ線の総量についてGSO及びNaI(T1)検出器を用いて450MeV^3Heビームによる誘起反応で調べた。γ線検出器の計数率は標的の原子量の平方根に比例している事が分かった。このことはγ線の平均的な多重度がほぼ標的の原子量に比例して増加する事を意味する。以上の結果をもとにすべての実験装置の製作を完了し、実験計画を立てる予定である。 一方、平成6年度に購入した計算機(ワークステーション)はシステム・プログラムや解析プログラムの導入に着手し、同時にこれまで取得したデータの解析を試み、標準的データの解析は可能になった。現在、RCNPで磁気テープに記録されたデータの書き込み形式に合うようにプログラムを書き換えて、汎用性のあるソフトの開発を行っている。 国際会議で中間エネルギーでの(^7Li,^7Be-γ)反応によるアイソベクター巨大共鳴の研究で得られる結果や今後の研究の方向,^7Be-γ同時計数測定用のGSO検出器の特性等を報告し、討議した。この中で(^7Li,^7Be-γ)反応の特徴,有効性やGSO検出器の特性に注目が集まった。今後、国際協力も含めて協議していく。
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