研究概要 |
一次宇宙線の化学組成の研究や、高エネルギーγ線点源の探索あるいは10^<17>eV付近での核相互作用の特性変化等の研究のためには、1)大面積、高密度空気シャワーアレイ、2)大面積ミューオン検出器、3)高精度到来方向測定器、4)高速度・大容量データ収録装置等が必要とされる。そこでこれらの目標の達成を目指して、電磁成分検出器1,000台、ミューオン検出器2,000m^2による空気シャワーの観測が計画された。 南インド・タミールナドゥ-州ウ-ティーにあるタタ研究所の電波天文学センター(北緯11°海抜2,000m)の構内では、本研究計画のために新観測所の建物の建設が現在進められている。空気シャワー観測の第一期計画として、電磁成分検出器250台、ミューオン検出器500m^2の規模を目指して平成6年から建設が開始された。 5〜12月の間にミューオン検出器用の比例計数管3,000本がコラ-金鉱から移送され、その内の2,700本が既に装置(3ユニット)に組み込まれた。現在は吸収層のコンクリートブロックを積み上げつつある。第一ユニットの3台のモジュール(合計108m^2)についてはアンプなどが取り付けられ、電子回路系のテストが進行中である。 一方、電磁成分検出器は、8台が所定の場所に設置され、15台が設置の準備中で、40台が製作中である。なお、全ての電磁成分検出器は高精度時間差測定機能を持ち、約100台分の資材は既に購入済みである。 これらの進行状況から見て、今年度中に第一ユニットの全モデュール(4台)については装置全体のテストが可能となる。また、来年度中には電磁成分検出器約80台とミューオン検出器4ユニット(合計576m^2)によるテスト観測の実施が期待される。
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