研究概要 |
一次宇宙線の化学組成の研究、高エネルギーγ線点源の探索、超高エネルギー領域(>10^<17>eV)での核相互作用の研究等の観点から、空気シャワーについて予備的なシミュレーションを行った。その結果、十分な統計精度や測定精度を実現するために、次のような条件が必要であると分かった。1)高密度空気シャワーアレイ(検出器間隔<10m)、2)大面積シューオン検出器(〜1000m^2)、3)高精度到来方向測定器(<1°)、4)高速度・大容量データ収録装置(〜Mbyte/sec) このために、電磁成分検出器1,000台、ミューオン検出器2,000m^2による空気シャワー観測装置が、南インド・ウ-ティー山にあるタタ研究所の電波天文学センター(北緯11°海抜2,000m)の構内に設置されることになった。そして、第一期計画として、電磁成分検出器250台、ミューオン検出器500m^2の規模を目指して平成6年から建設が開始された。 平成7年度は新しい観測棟がやっと完成した。前年度に引き続きミューオン検出器(36m^2)の建設を行い、予定した16基の組立が終わり、現在吸収層のコンクリートの積み上げの途上である。アンプなどのエレクトロニクスの整備・調整も平行して進められ、第一ユニット(144m^2)の観測が可能となった。第二ユニット(144m^2)は6月に完成の予定である。 一方、電磁成分検出器(1m^2)は、今年度になって145台が所定の場所に設置されたが、新観測棟の建設の遅れから観測棟内部の装置の整備・調整が遅れており、8月頃観測が開始される予定である。なお、残りの約100台分の資材は購入済みであり、暫時設置していく予定である。これらの進行状況から見て、平成8年8月頃には、電磁成分検出器約150台とミューオン検出器3ユニット(合計432m^2)によるテスト観測の開始を予定している。
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