研究課題/領域番号 |
06452037
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
中原 純一郎 北海道大学, 理学部, 教授 (30013527)
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研究分担者 |
山本 夕可 北海道大学, 理学部, 助手
渡辺 純二 北海道大学, 理学部, 助教授 (60201191)
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キーワード | 半磁性半導体 / d電子 / 励起状態 / 格子緩和 / 緩和過程 / 局在・非局在 / 発光 |
研究概要 |
半磁性半導体CdMnTeにおける発光の時間、温度、励起波長依存性を精密に調べた。YAGレーザーの高調波励起の色素レーザーの作成を行い、これを用い赤外発光(〜1eV)及びd-d発光(〜2eV)の強度の時間発展の励起波長依存性の測定した。赤外発光は励起後すぐには強度の最大にならず、数マイクロ秒後に最大となる。この発光の最大になるまでの遅れの時間は帯間励起を行う波長領域ではd-d遷移を直接行うことにより測定される遅れの時間よりは短い時間となっている。これによりMnのd-d発光の寿命など光励起により励起された状態の寿命、励起状態間のエネルギー変遷と励起後赤外発光の最大強度のみられる時間までの遅れとには密接な関係があることが分かった。励起状態からの発光により緩和過程を詳細に検討している。なお一部の結果は第10回3元多元化合物国際会議に報告するべく準備をしている。またMn^<2+>のd電子状態からの発光をアルゴンイオンレーザー励起の色素レーザーによりこの発光に含まれる不均一幅を発光の励起波長依存性を測定する事により求めた。このことにより不均一幅の温度依存性、Mn濃度依存性を明らかにした。温度依存性は不均一幅がおよそ50Kで消滅し、均一幅となっていることを示している。また濃度と共にこの消滅する温度が高くなることが分かった。これらのことより不均一幅は励起されたMn^<2+>と周囲のスピン、結晶場との相互作用が大きい原因と考えられる。この結果については高圧半導体国際会議で発表を行った。さらに基盤上に成長したジンクブレンドMnTeの発光と格子歪みの関係を調べている。
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