研究課題/領域番号 |
06452055
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
十倉 好紀 東京大学, 大学院理学系研究科, 教授 (30143382)
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研究分担者 |
有馬 孝尚 東京大学, 大学院理学系研究科, 助手 (90232066)
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キーワード | モット絶縁体 / フィリング制御 / 金属絶縁体転移 / 電子相関 / 電子相関 / ギャップ内状態 / ペロブスカイト型チタン酸化物 |
研究概要 |
今年度はペロブスカイト型チタン酸化物を対象として、電子相関強度と電子フィリングの二つのパラメータ空間に於ける電子構造変化を重点的に研究した。 ・金属絶縁体転移 R_<1-x>Ca_xTiO_3(Rは希土類元素)について、Rとxを様々に換えた一連の試料を作成することに成功した。これは、電子相関の強さとフィリングとを独立に制御したことを意味する。 作製した試料について電気伝導度の測定を行い、金属と絶縁体の相境界を明らかにした。電子相関が強くなるにしたがって、金属化に必要な正孔ド-ピング量x_cが増えることがわかった。 ・分光的手法による電子構造変化の研究 既に我々は(La_1Sr)TiO_3系に於いて、正孔ド-ピングによってモットギャップ内に状態が出現していくことを報告していた。このギャップ内の振動子強度(スペクトルのウェイト)はド-ピング量にほぼ比例する。今回作成した試料について光学スペクトルを測定したところ、ド-ピング量に対するギャップ内振動子強度の増加率が電子相関の強さによって系統的に変化することが明らかになった。すなわち、母体絶縁体に於ける電子相関が強いほど、ド-ピングによる振動子強度の移動が起こりにくい。
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