• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1995 年度 実績報告書

電気流体力学的不安定性における欠陥対流パターンと分岐現象

研究課題

研究課題/領域番号 06452066
研究機関九州大学

研究代表者

甲斐 昌一  九州大学, 工学部, 教授 (20112295)

キーワード液晶 / 電気流体力学的対流 / ホメオトロピック / スケーリング / 位相スリップ / 欠陥 / トポロジカルダイナミックス / ブッセダイヤグラム
研究概要

1995年度には主に、(1)二次元における位相スリップのトポロジカルダイナミックスの研究、(2)ゴールドストーンモードを持ったホメオトロピック系の電気流体力学的パターン形成(EHC)のダイナミックスとブッセダイヤグラムの作成、等の研究を行った。
その結果、二次元系ではトポロジカルに三つの異なった位相スリップが観測された。そこには各々二つの異なった動力学が見られ、位相スリップ点から離れた領域での動力学は拡散によるもので、一方スリップ点のごく近傍(大体ロールペア幅程度)でのそれは特異ダイナミックスによるものであることが判明した。また、そのスケール則は一次元の場合と同じであったが、その傾きに一次元で既に観測されたような普遍な係数(2√2)が存在するか否かは未解明で今後の問題となった。これらの特異ダイナミックスはその一般性が非常に高く、タイプIIの超伝導に現れる位相スリップ点(アブリコソフ格子)のダイナミックスにおいても成り立つものと期待される。
一方、ホメオトロピックEHCでは、ゴールドストーンモードの(GSM)存在によって静止安定状態からの最初の不安定において、超臨界分岐を経てソフト乱流が発生することが判明した。このタイプの分岐現象はいままで実験的な観測はもちろん予測もされておらず、その詳細な性質はまだ調べられていない。無磁界下のホメオトロピックEHCでは常にランダムパターンが観測されるが、磁界を印加するとGSMを殺すことができ、整然とした周期パターンが現れる。これは揺らぎの対称性を変えることに相当し、そのためプレーナーEHCとは異なった多様なパターンが観測されることが分かった。またその際のブッセダイヤグラムもプレーナー系とは全く異なったダイヤグラムを示すことも判明した。
これも数理面いついては今後解明すべき問題として残った。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] S. Nasuno: "Structural transition and motion of domain walls in liquid crystals under a rotating magnetic field" Phys. Rev. E. 51. 1598-1601 (1995)

  • [文献書誌] M. I. Tribelsky: "Universal spatiotemporal scaling for dynamics of Eckhaus instability development" Phys. Rev. E. 51. 5132-5135 (1995)

  • [文献書誌] O. Inomoto: "Depth dependence of the Big Wave in Belousov-Zhabotinsky Reaction" J. Phys. Soc. Jpn.64. 3602-3605 (1995)

  • [文献書誌] S. Kai: "Stability diagram, defect turbulence and new patterns in electroconvection in namatics" Spatio-temporal patterns in nonequilibrium complex systems (Addison-Wesley). 21. 313-329 (1995)

  • [文献書誌] S. Kai: "Gradient free structures in Liesegang phenomena" Spatio-temporal patterns in nonequilibrium complex systems(Addison-Wesley). 21. 445-468 (1995)

  • [文献書誌] S. Kai: "Curious properties of soliton induced by Marangoni instability in shallow Belousov-Zhabotinsky reaction" Physica D. 84. 269-275 (1995)

URL: 

公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi