研究課題/領域番号 |
06452068
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
高木 隆司 東京農工大学, 工学部, 教授 (80015065)
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研究分担者 |
甲田 精宏 東京農工大学, 工学部, 助教授 (60015039)
佐野 理 東京農工大学, 工学部, 教授 (80126292)
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キーワード | 流動層 / 2流体モデル / 線形安定性 / 非線形波動 / ソリトン |
研究概要 |
平成7年度は、昨年度の実験によって得られた流動層内の粒子分布の挙動を理論的に解明するために、2流体モデルに基づいて解析した。粒子と流体の相を、それぞれ連続した流体とみなし、それぞれ連続の式と運動量方程式を仮定する。この方程式はある程度確立しているが、本研究では、それに粒子の拡散の効果を付加したモデルを採用した。 ●まず、均一粒子分布に、下側から流体が流入する状態を基本状態とし、それからの微少なずれが時間的に増大するか、減衰するかを理論的に調べた。その結果、垂直方向に波状に変動する攪乱に対しては均一粒子分布は常に不安定であるが、水平方向に変動する攪乱に対しては比較的安定であった。この結果は、実験で観測された粒子の挙動と一致している。 ●この線形安定性理論の結果を、数値的に確認する手法を開発した。数値的には、常に有限振幅の攪乱を扱うことになるので、初期振幅をいろいろ変えて数値解を求め、振幅0の暫近的な振る舞いを求めることにより、無限小振幅の振る舞いが予想できた。 ●次に、大きな振幅で非線形効果が顕著な場合について、2流体方程式を数値的に解いた。その結果、線形的に不安定なパラメータの範囲では、少しずつ高さが増加して行く数個の孤立波が現れた。これらは、追い越しの挙動を調べると、ソリトンの性質を持っていることが分かった。さらに時間が経過すると、乱雑な、いわば乱流状態に移行した。 平成6、7年度の研究から、流動層の基本的な性質が、実験的にも理論的にもはっきりした。今後は、粒子クラスターの動力学をより詳細に調べる予定である。
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