研究課題/領域番号 |
06452072
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
遠藤 一太 広島大学, 理学部, 教授 (90033894)
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研究分担者 |
中里 俊晴 東北大学, 理学部, 助手 (00172289)
高橋 徹 広島大学, 理学部, 助手 (50253050)
堀口 隆良 広島大学, 理学部, 助教授 (40033899)
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キーワード | パラメトリックX線放射 / 共鳴トランジション放射 / 単色X線源 |
研究概要 |
1.PXRとチャネリング放射が共存する条件下での実験を実施。 2.単結晶からなる多層フォイルを、PXRと多重干渉遷移放射が共存する条件下での実験を実施。 3.内部結晶標的多重回通過による放射強度変化に関する予備実験(トムスク工大電子シンクロトロン使用) 4.PXRを用いたビーム診断法の提案と予備実験 これにより以下のことがあきらかになった。 1)電子エネルギー200MeVにおいては、チャネリング条件下のPXR強度は通常の場合と大きな違いはない。 2)多重干渉遷移放射とPXRが共存する条件下で多層単結晶からのX線強度は枚数とともに急激に増加するが、X線エネルギー14.4KeVの場合10枚程度で強度が飽和するのに対し33KeVの場合は100枚程度まで増加しつづける。 3)遷移放射とPXRが干渉する兆候はみられない。 4)トムスク工大電子シンクロトロン内部標的の場合は、電子多重回通過により、X線強度が数倍増大する。 5)電子ビーム中に微少な単結晶をプローブとしていれて、PXR強度の結晶角度、位置依存性を見ることにより、電子ビームの位相空間における広がりが測定できる。 我々の提唱するPXRの現象論的表式はこれまで測定した条件下ではすべて、実験値をかなり良く再現しており、今後の実験立案に有用であると思われる。また、小型加速器で、高輝度の単色X線を得るためには、今後さらに多層単結晶に多重回電子を通過させる方法を追求すべきであるとの指針が得られた。 なお、これらの結果の速報はロシアで開かれた国際ワークショップRREPS95および、日本物理学会で口頭発表した。
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