研究概要 |
光合成光化学計II粒子の非ヘム鉄抜き,シアン(CN)処理,および鉄を亜鉛置換した試料について陽子パルスENDORを観測し,バッファーを重水置換した試料の結果と比較してQ_A周辺の交換可能な水素を確定した.トリス処理した光化学系II粒子でトラップしたチロシンZ^+のEPR線形が低いpHで変化することよりパルスENDORで詳細に調べ,これが陽イオンラジカルであることを確認した.電子移動で水素結合の関与を微視的に調べるのにパルスENDORの有効性を示した上記2つの結果は第10回国際光合成会議で報告した. 本年新しい二重共鳴の方法として異なる共鳴周波数を持つラジカルまたは常磁性金属イオンに同時にパルスEPRを行って,これらの電子伝達担体間の距離を双極子相互作用の大きさから見積もる方法を完成させ,Caを水分解系から除去した試料に使用して,S_3状態のラジカルとチロシンD,またS_1状態でトラップぢたチロシンZ^+とD,水分解系マンガンとDの距離をそれぞれ30,29,27Aと決定出来た.過去の間接的な測定に比べ,精度は0.5A以内と上昇した.
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