要旨 我々は、超長周期水平動ノイズは気圧勾配によって引き起こされていると考え、広帯域地震計と高感度気圧計の観測を行った。同時に、その地域の気圧勾配の変化を観測するため、名古屋市と瀬戸市においても気圧の変化を観測した。これらの記録を解析した結果、超長周期水平動ノイズの波形はその地域の気圧勾配ではなく地震計のあるところでの気圧の変化に良く似ていることが分かった。すなわち、気圧勾配が変化することによる地殻の傾動運動によるノイズではない。 ところが、ボアホール型の広帯域地震計にも良く似たノイズが見られるが、その波形は、気圧変化には似ていない。しかし、気圧変化が大きいときにはこのノイズの振幅は大きくなり、気圧に起因しているようではある。 結局、この長周期ノイズは機械固有の性質によるところが多いようであることが判明した。もし、気圧の変動による、地面の傾動運動などであれば、程度の差はあったとしても、観測の方式の違いによって、その様子が大きく変わることはない。
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