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1994 年度 実績報告書

高分解能・気候モデルの波動解析

研究課題

研究課題/領域番号 06452083
研究種目

一般研究(B)

研究機関東京大学

研究代表者

高橋 正明  東京大学, 気候システム研究センター, 助教授 (70188051)

研究分担者 佐藤 薫  東京大学, 気候システム研究センター, 助手 (90251496)
キーワード高分解能気候モデル / 準2年振動 / 西向き赤道動波 / 動波 / 赤道成層圏 / 1 / 5セクター / T106 / 中緯度対流圏
研究概要

今年度は前年度に実行した高分解能気候モデル(T106S5,triangular t106の1/5セクターのみ)の赤道波の解析をおもにおこなった.これは前年度におこなった実験において赤道成層圏に400日程度のQBO(準2年振動)的な振動が生成されたからである.ただしモデルでは,下部成層圏ではなくて上部成層圏に振動が再現されている点は観測とは異なる.この結果はモデルの欠点ではあるが,QBO的な振動はGCM的な赤道波動を自励的に作るようなモデルでは世界で初めての結果である.このQBO的な振動がどのようにして作られたかを調べる目的でモデルの中の赤道波を詳しく調べた.方法はフーリエ解析が主な方法である.
QBO的振動の東風加速はおもに東西波数1(全球的にみれば5),南北モードn=1で周期が2.5日の西向き赤道重力波が生成していることがわかった.これは最近観測でも対流圏でこの様なn=1の赤道重力波がみられることとよい一致を示す.この波は成層圏ではそれほど明確ではない.QBO的振動の西風加速はおもに重力波が生成している.この重力波は赤道のトラップ・モードとは異なるようである.むしろ南北に非対称的な構造をもっている.
中緯度対流圏のjetの生成に関して,中緯度対流圏の波動も調べてみた.ただし主な対流圏の擾乱はセクター・モデルのために実際の大気の擾乱とはかなり異なるようである.東西に伝播する波数1の擾乱が実際の大気では数日周期の高・低気圧波動になるが,セクターモデルの中では非常にゆっくり動く(約周期が20日程度)波動になっている.これは,セクターモデルの欠点で将来グローバルのモデルで走らせないといけないことを示している.

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Takahashi,M.and M.Shiobara: "A note on a QBO-like oscillation in a 1/5 sector three-dimensional model derived from a GCM." J.Meteor.Soc.Japan. 73. 131-137 (1995)

  • [文献書誌] 高橋 正明: "数値実験による準2年振動の研究" 天気. 42. 69-78 (1995)

  • [文献書誌] K.Sato: "A statistical study of the structure,saturation and sources of inertio-gravity waves in the lower stratosphere observed with the MU radar." J.Atmos.Terr.Phys.56. 755-774 (1994)

  • [文献書誌] K.Sato,F.Hasegawa,and I.Hirota: "Short-period disturbances in the equatorial lower stratosphere." J.Met.Soc.Japan.72. 423-432 (1994)

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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