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1996 年度 実績報告書

日本海の深層循環のラグランジュ測流による研究

研究課題

研究課題/領域番号 06452084
研究機関東京大学

研究代表者

平 啓介  東京大学, 海洋研究所, 教授 (50013579)

研究分担者 柳本 大吾  東京大学, 海洋研究所, 助手 (40260517)
キーワード日本海固有水 / 放射性廃棄物 / 中層循環 / ラグランジュ測流 / アリスフロート / アルゴスシステム / 漂流速度 / 潮汐流
研究概要

日本海の100メートル以深には水温1℃の均質な日本海固有水が分布し、冬季にシベリア沖で形成されるがその輸送と流動の過程は不明であった。旧ソ連による放射性廃棄物の投棄などにより,日本海の中層循環の解明が急がれている。中深層循環は海底地形の影響を受けるので多数点の直接測流が必要であるが、海水とともに漂流する中立フロートの追跡が有効である。本研究では日本海の300メートル層を10日間と20日間漂流して1日だけ浮上して人工衛星で位置決めをするアリスフロートを2台投入して、1995年8月から運用した。北緯41度43分、東緯136度18分に投入したフロートは直径100kmの反時計回りの循環を示し、1996年12月までに北東に約300km移動した。北緯40度54分、東経132度24分に投入したフロートは同じ期間に直径300kmで一周し、南西に100km移動した。10日間、そして20日間の平均漂流速度は約5cm毎秒であった。シベリア沖から北海道西岸へは1年以内に到達するが、山陰沖では大和唯が境界になってその南には到達しにくいことが示された。一方、位置決めのために浮上している間にアルゴスシステムで10回程度の位置が得られ、1m毎秒に及ぶ表層流を評価することができた。潮汐流が卓越しているようである。300メートル層から海面まで60回以上往復しており、温度計や塩分計を付加することで無人の観測ステーションとして有用であることが示された。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] 平 啓介: "NEAR-GOOS立案と実施の経緯" 月刊「海洋」. 29・1. 3-7 (1997)

  • [文献書誌] 平 啓介: "米国海洋研究艦隊(UNOLS)の紹介" 月刊「海洋」. 29・2. 123-127 (1997)

  • [文献書誌] 平 啓介: "Observation of temperature and velocity in the coastal water off Kuala Terengganu,Malaysia." Journal of Oceanogrophy. 52. 251-257 (1995)

  • [文献書誌] 平 啓介: "電気化学的駆動方法を利用したポップアップフロートの基礎研究" 電気学会論文誌. 113-b. 674-681 (1993)

  • [文献書誌] 平 啓介: "Direct measurements of mid-depth circulation in the Shikoku Basin by tracking SOFAR floats." J.Oceanogr.Soc.Japan. 46. 296-306 (1990)

  • [文献書誌] 柳本 大吾: "Deep circulation in the Shikoku Basin measured with the SOFAR floats." Elsevier Oceanography Series. 59. 69-80 (1993)

  • [文献書誌] 平 啓介(共著): "Processing of oceanographic station data." UNESCO, 138 (1991)

  • [文献書誌] 平 啓介(共著): "海と地球環境-海洋学の最前線、日本海洋学会編" 東京大学出版会, 407 (1991)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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