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1996 年度 実績報告書

極端紫外光による惑星周辺プラズマ分布の撮像を目的とした基礎開発

研究課題

研究課題/領域番号 06452088
研究機関東京大学

研究代表者

中村 正人  東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (20227937)

キーワード極端紫外光 / ヘリウムイオン / フィルター / 共鳴散乱
研究概要

平成8年度は昨年度に引き続き多層膜反射鏡の反射率及び金属薄膜フィルターの透過率、マイクロチャンネルプレート(MCP)の量子効率を測定した。特に今年度は平成10年に打ち上げられる火星探査機プラネットBに搭載する極端紫外光スキャナ(XUV)の校正実験に多くの時間を費やした。このスキャナは平成7年度までの本研究の成果を基に開発した、宇宙空間でヘリウムイオンと原子からの共鳴散乱光を測定する装置である。モリブデンとシリコンを積層させた多層膜、アルミニウムとカーボンにより目的の波長より短いあるいは長い波長の自然界の強い光を遮るためのフィルター、量子効率を向上させる為にCsIを一段目のプレート上に塗布したMCPにより構成される。いずれの素子も平成7年度までに試作等を行いその性能を確認してきたものを、宇宙空間での信頼性を考慮して新たに制作した。多層膜反射鏡の面精度は1Å程度で、20層多層膜を積層させた結果所期の性能(ヘリウムイオンの共鳴散乱波長304Å及びヘリウム原子の共鳴散乱波長584Åにおいて反射率25%)を達成する事を確認した。また2分割されたフィルターは各々波長450Å以上/650Å以上の光を有効に遮る様にカーボンの蒸着厚みを変えて有る。これによりフィルターの半面ではヘリウムイオンの共鳴散乱光のみを、残りの部分ではヘリウムイオンとヘリウム原子の両者からの共鳴散乱光を観測するように調製されており、両者を比較することによりヘリウムイオンからの共鳴散乱光とヘリルム原子からの共鳴散乱光を分離することが出来る。このフィルターに対しても透過率の測定を行い、所期の性能を発揮することが確認された。プラネットB搭載極端紫外光スキャナの完成をもって、本研究の目的である極端紫外光領域における明るい光学系の開発が達成されたと考える。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Harada,T.,et al.: "Design of EUV spectrometer with stigmatic image focusing using spherical veried linespace gratings" Proc.SPIE '94. vol.2283. 180-188 (1994)

  • [文献書誌] Yamazaki,T.,et al.: "Rocket-borne observation of galactic EUV emission with normal incidence telescopes,UV and X-ray Spectroscopy by Astrophysical and Laboratory Plasmas" Frontiers Science Series ed.of K.Yamashita and T.Watanabe,Universal Academy Press,Tokyo. No.15. 323-326 (1995)

  • [文献書誌] Kunieda,H.,et al.: "EUV Observation with Normal Incidence Multilayer Telescopes" Astrophysics in the Extreme Ultraviolet,ed.by S.Bowyer and R.F.Malina,Kluwer Academic Publishers,Netherlands. 21-26 (1996)

  • [文献書誌] Yamazaki,T.,et al.: "Normal incidence multilayer telescope for galactic EUV observations" J.Elect,Spec.Rel.Phenom.vol.80. 299-302 (1996)

  • [文献書誌] 吉川一朗、他: "S-520-1号機搭載Helium Emission Monitorによるプラズマ圏ヘリウムイオンの光学観測に関する研究" 宇宙科学研究所報告. 91号. 1-36 (1997)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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