研究課題/領域番号 |
06452090
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
木村 磐根 京都大学, 工学部, 教授 (00025884)
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研究分担者 |
松尾 敏郎 京都大学, 工学部, 助手 (80109032)
笠原 禎也 京都大学, 工学部, 助手 (50243051)
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キーワード | プラズマ圏 / 電波伝搬 / VLF波動 / レイトレイシング / あけぼの衛星 / オメガ信号 / 電子密度分布 / 非線形最小2乗法 |
研究概要 |
あけぼの衛生では1時間程度の連続時間観測されるオメガ信号の伝搬ベクトル方向ならびに伝搬時間と衛星軌道に沿った電子密度を同時測定が可能であるが、オメガ信号のレイトレイシングを行なうことにより、これらの観測結果と一致するような地球磁気圏、特にプラズマ圏の電子密度分布を衛星軌道毎に測定する手法を開発し、より現実に近い電子密度分布モデルの提案を行なうことを目的としている。15EA02:従来は観測値と計算値をフィッティングする指標として、電子密度のみを考慮していた。本年度は、観測値により近くなるような電子密度分布のパラメータを求めるため、衛星で観測された電子密度、オメガ信号の伝搬ベクトル方向、および伝搬時間の観測値と理論値の差を電子密度分布推定の過程にフィードバックしながら非線形最小2乗法でフィッティングするアルゴリズムを開発した。さらにより現実に近い電子密度モデルを導入するため、磁気圏内のイオン温度に沿磁力線方向の温度勾配を考慮する方法についても検討を行なった。 しかし単純に上記3つの指標を同時にフィットさせる方法では、観測値と理論値がうまく一致しない例が存在した。そこで推定アルゴリズムを、まず衛星軌道上の電子密度と一致するような電子密度分布を求め、その後さらにオメガ信号の伝搬ベクトル方向と伝搬時間を用いて細かくフィットさせるという2段階に改めることにより、推定精度をあげられることを明らかにした。この手法の開発により、従来の方法に比べ推定解が一意に決まる例が増え、本アルゴリズムの有効性を実証した。
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