研究課題/領域番号 |
06452095
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
地質学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
徐 垣 九州大学, 理学部, 助教授 (90183847)
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研究分担者 |
宮田 雄一郎 山口大学, 理学部, 助教授 (60253134)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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キーワード | 未固結変形 / 微細変形構造 / 高精度非破壊物性測定 / X線CTスキャン / 水銀圧入式ポロシメータ / アマゾン海底扇状地 / 三浦層群三崎層 / Amazon Deep-water Fan |
研究概要 |
堆積物中にみられる未固結変形にはbrittleな変形とductileな変形が知られている。前者はいわゆる面なし断層と呼ばれるせん断面が癒着する断層面を作るタイプの変形で、後者は堆積物が初生の堆積構造を失い塑性変形するタイプの変形である。未固結変形の場合、変形に伴う歪は多くの場合に構成する粒子それ自体が壊れたり変形したりすることは少ない。なぜならば、粒子と粒子の間の間隙水が流動することで、間隙が変形し、変形に伴い生じる歪を解消するからである。そのため、変形の程度や様式は、粒子それ自体の変形として捕らえられるものでなく、間隙の変化として記録される。つまり、brittleな変形では、二次間隙とよばれるフラクチャーの形成と初生の間隙が潰されることで生じる細孔化によって、間隙径の分布が変化する。X線CTスキャナーによる詳細な密度分布像から面なし断層面上の間隙分布を推定してみると、複雑になっていることが分かる。すなわち、ある部分では間隙は潰されて密度が大きなものに変化しているが、逆に、これと隣接する部分で間隙は断層によって生じた二次間隙(フラクチャー)によって膨れ全体として密度は非変形なものより小さくなっている。従って、かならずしも断層によって、断層面から間隙水が絞り出されるとは限らない。一方、ductileな変形の場合では、変形の進んだものと非変形なものとでは間隙率の有為な差は認められないものの(非排水せん断の状態)、間隙径の分布には非変形なものから塑性変形の進んだものに向かって、よりunimodalなものへと間隙径の分布様式に変化がみられる。また、透水率の小さな泥岩などの堆積物では、brittleな変形に際しても、断層面周辺の詳細な間隙径分布の変化の様子から、破断に至る前段階として間隙径の分布様式の変化に代表される塑性変形が始まっていることが示唆された。
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