研究課題/領域番号 |
06452107
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
尾鍋 研太郎 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (50204227)
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研究分担者 |
矢口 裕之 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (50239737)
近藤 高志 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (60205557)
長田 俊人 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助教授 (00192526)
白木 靖寛 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (00206286)
伊藤 良一 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (40133102)
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キーワード | 窒化物混晶半導体 / GaPN混晶 / ワイドギャップ化合物半導体 / 準安定混晶半導体 / ガリウムリン / 窒化ガリウム / 有機金属気相成長法 / MOVPE法 |
研究概要 |
本年度は、昨年度に引き続き、窒素濃度が4%までのGaPN混晶に関し、光学的評価および理論解析に基づいて、バンド端近傍のエネルギー準位の詳細および光学的性質をさらに明らかにし、本研究の一応の総括を行った。 1.【発光準位の起源と性質】窒素濃度が4%までのGaPN混晶におけるフォトルミネッセンス励起スペクトルの温度依存性の測定および解析により、局在励起子の自由励起子への活性化エネルギーおよびそれによって規定される移動度端の窒素濃度依存性が明らかになった。移動度端は、孤立窒素原子によって作られる準位起因の光学的バンド端より10〜20meV高エネルギー側に位置し、その窒素濃度依存性は光学的バンド端にほぼ平行である。このように、バンド端近傍のエネルギー準位における局在-非局在準位の態様が明らかになった。 2.【混晶のバンド計算】強結合近似に基づくバンド計算を、従来の8原子単位格子から一次元方向へ単位格子のくり返しを許す系へと拡張し、エネルギーギャップの組成依存性における巨大ボウイング効果を理論的により確実性をもって裏付けた。 3.【Gap/GaPNヘテロ構造】数nm以下の層厚のGaPN混晶を井戸層とし、GaPを障壁層としたダブルヘテロ構造において、フォトルミネッセンス励起分光による評価を行ったが、量子準位の形成は確認されなかった。これは窒素濃度が低濃度であるために明確なヘテロ界面が形成されず、キャリア閉じ込めが不完全であったためと結論された。 今後は、GaPN混晶におけるバンド端準位形成の特異性を、GaAsPN、InGaPNなどの関連混晶において解明していく計画である。
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