研究課題/領域番号 |
06452111
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
松波 弘之 京都大学, 工学部, 教授 (50026035)
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研究分担者 |
木本 恒暢 京都大学, 光学部, 助手 (80225078)
冬木 隆 京都大学, 工学部, 助教授 (10165459)
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キーワード | 光励起プロセス / 有機金属分子線エピタキシ- / 原子層エピタキシ- / 質量分析 / 反射電子線回析 / III-V族半導体 |
研究概要 |
本研究では、有機金属分子線エピタキシ-法によるGap半導体結晶成長時にレーザー光を導入し、その表面反応過程を解析した。以下に本研究で得られた主な結果をまとめる。 1.結晶成長に寄与する化学種の同定 (1)Gap基板に吸着した有機金属TEGa(Ga(C_2H_5)_3)をN_2レーザ照射によって分解することを試み、200℃という低温でGapをエピタキシャル成長させることに成功した。 (2)成長速度のTEGa流量依存性、照射レーザ光強度および照射時間依存性を調べ、成長速度は基板表面に吸着したTEGa量で決定することを明らかにした。 (3)質量分析によって、TEGaの分解過程を解析し、TEGaがC_2H_4を放出してDEGa(Ga(C_2H_5)_2)となるβ脱離と呼ばれる分解反応が支配的であることを明らかにした。 2.表面化学反応、結晶成長過程の解明 (1)GaP(100)成長時に反射電子線回析を観測し、良質なGaP成長層が得られる場合には(2×4)の超構造が見られることが判明した。これは、P安定化面と考えられる。 (2)反射電子線回析の回析スポット強度の時間変化を解析し、その強度振動から成長速度をその場で測定できること、成長モードの推定が可能であることを明らかにした。 (3)レーザ光照射により基板表面に吸着したTEGaが分解すると、回析スポットの強度が急激に低下し、その後時間の経過とともに回復することが分かった。この現象を定量的に解析するモデルを考案し、基板表面での結晶成長機構を明らかにした。
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