研究課題/領域番号 |
06452120
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
小林 猛 大阪大学, 基礎工学部, 教授 (80153617)
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研究分担者 |
藤井 龍彦 大阪大学, 基礎工学部, 助手 (40238530)
作田 健 大阪大学, 基礎工学部, 講師 (70221273)
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キーワード | 超格子 / 誘電体 / アブレーション / 酸化物 / ゾ-ソフォールド |
研究概要 |
本研究課題を進める上で非常に効果的な研究成果が得られたことを初めに述べたい。エキシマレーザーアブレーション法による薄膜成長を行うと、必ずドロップレットと呼ばれる巨大液滴粒子の散乱が起こり、薄膜の品質を大きく低下させていた。評価さえ十分行えないほどの影響を与えていた。この問題がエクリプス法と呼称する新しい成膜法の提案により、見事に解決できたのである。本研究はもちろんのこと、将来にわたって本エクリプス法の開発は計り知れない効力を発揮するであろう。 超格子の作製に先立って、Ba_xSr_<1-x>TiO_3でなる4元系結晶薄膜の成長を試みて、あらかじめこの材料システムに起こりがちな様々な問題点の抽出に当たった。BaTiO_3やSrTiO_3の3元系にはない問題として、3元系同士の複合でなる4元混晶系(Quaternary)では組成のマイクロフラクチュエーションが生じやすくなっており、その影響が光透過のエッジ構造やFTIRに見られるLOフォノンの吸収特性に顕著に現れることが判明した。超格子を作製するに当たって、その界面に発生しがちな混晶の処理やその評価法について新たな課題を我々に突きつけたようである。 前兆形強誘電体SrTiO_3の単パルス・エキシマレーザーラミナーアニール(ELLA)について検討を加えた。ヘテロ界面の品質を保持しながら十分高い温度でアニールしよう、とする新しい試みである。ナノ秒という短い時間(理論計算によって温度上昇-降下の時間が60ナノ秒以内)の中で生じる現象であり、これからが楽しみである。
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