研究概要 |
本年度はまず昨年度購入した装置の,STM装置(従来あるもの)への取り付け部分について,真空系,バルブの開閉動作などの種々のテストを繰り返し行った。 実験はSi(100)面を半導体的表面処理を行い,基板表面の酸化膜を取り除き装置内にセットした。蒸発材料としてのAuは0.1mmφのワイヤーを使用し,0.3mmφのタングステンフィラメントに装着した。その後,装置内を10^<-7>(Torr)位まで十分に排気した後通常のRFイオンプレーティングを行った。プラズマ維持のためのArガスを5×10^<-4>(Torr)まで導入し,RF電力は100Wにて行った。これによりプラズマ中で生じるAr^+やAu^+,Au^・などの粒子が蒸発中に形成され,Si基板へ飛翔し膜形成が行われる。 RFIP法で形成した膜をSTM装置内へ移しin-situ観察を行った。比較のために本装置内で通常の真空蒸着によるAu膜の形成も行いSTM装置内へ移しin-situ観察を行った。STM観察の結果VD法により形成されたAu膜は,表面の凹凸が大きく20nm程度のピンホール状の窪みが存在していることが判明した。一方,RFIP法により形成されたAu膜は全体的に平滑な表面を形成しておりピンホールやボイドは存在しないことが判明した。このことはRFIP法にてAu膜を形成する際Au中性粒子以外にエネルギーをもったAuイオン,Auラジカルなどの存在により効果が現れたものと推測される。
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