研究課題/領域番号 |
06452123
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
表面界面物性
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研究機関 | 武蔵工業大学 |
研究代表者 |
服部 健雄 武蔵工業大学, 工学部, 教授 (10061516)
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研究分担者 |
野平 博司 武蔵工業大学, 工学部, 講師 (30241110)
秋谷 昌宏 武蔵工業大学, 工学部, 助教授 (60231833)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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キーワード | 水素終端 / シリコン / 自然酸化膜 / プレオキサイド / 界面構造 / 初期酸化 / 酸化反応 / 原子スケール |
研究概要 |
原子スケールで平坦なSiO_2/Si界面を実現するために、水素終端した原子スケールで平坦なシリコン表面の酸化の初期過程、プレオキサイドが酸化膜や界面の構造に及ぼす影響、価電子帯形成の初期過程、初期表面の平坦性とテラス幅が1Torrの乾燥酸素中800℃におけるSiO_2/Si界面形成に及ぼす影響などを調べた。常圧の乾燥酸素中300℃で形成したプレオキサイドを介して常圧の乾燥酸素中800℃で酸化すると表面近傍のシリコン酸化膜のSi2P光電子スペクトルの半値幅が減少することを見い出した。これは、プレオキサイドが表面近傍の応力緩和を抑制することを示唆している。1Torrの乾燥酸素中800℃におけるSiO_2/Si(111)界面の形成に及ぼす化学溶液中で形成した自然酸化膜、いわゆるケミカルオキサイドの効果から、酸化反応はSiO_2/Si界面で生じること、シリコン上に形成した硫酸過水膜/Si(111)界面の構造は水素終端したシリコン面を1Torrの乾燥酸素中300℃で酸化することにより形成されるSiO_2/Si(111)界面の構造とほぼ等しいことなどを見い出した。さらに、酸化の初期における酸化の進行に伴う表面のシリコン原子の酸化状態の変化を、Si-H結合の伸縮振動に由来する赤外吸収の測定により詳細に調べた。その結果とX線光電子分光法により調べたSiO_2の量およびサブオキサイドの検出による界面構造の酸化の進行に伴う変化の詳細をともに満足する原子スケールの酸化過程、すなわちどの様な順序でどの様な酸化状態がどの様な確立で出現するか探索した。その結果、酸化によるSi-O-Siの生成は、当該Siの酸化状態のみならずSi原子の酸化形態に依存することを見い出した。さらに、Si(100)面上では、Si(111)面上よりも、原子スケールで酸化はより均一に進行することを見い出した。これは、Si(111)面上では局所的には酸化は1層または1層と層状に酸化反応が起こるのに対して、Si(100)面上では層状酸化が起こらないことによる。
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