研究概要 |
高速の並列処理システムを実現する方法の一つとして,電子回路によるプロセッシングエレメントと光によるプロセッシングエレメント間のインターコネクションを組み合わせたハイブリッドタイプのアーキテクチャが期待を集めている.本研究は,このようなハイブリッドタイプのアーキテクチャの実現を目指して,独自開発した電子回路によるプロセッシングエレメントと同じく独自に開発した光インターコネクションシステムを組み合わせて高速の超並列演算処理機構を試作し,具体的に意味のある演算を実現することを目的とする. 基本的には,すでに独自開発している各要素技術の改良を行い,それらの要素技術を組み合わせて,実際にシステムを試作する点が焦点となる.本年度は,実際にシステムを組むという観点から,各要素技術への要求仕様を整理し,システムのアルゴリズムを決定した.また,各要素技術の性能を再検討し,システム全体としての限界を明らかにした. 具体的には以下の手順で研究を行った. 1)プロセッシングエレメントを16×16=256個並べた. 2)プロセッシングエレメント上で実行するアルゴリズムとして、行列ベクトル演算を開発した. 3)光インターコネクションを実現する計算機ホログラムの実際の特性を測定した. 4)システム全体の性能の限界が明らかになった. 5)特に光デバイス(発光素子アレイ,フォトディテクタアレイ,空間光変調素子,高解像度ディスプレイ等)への要求仕様を実験的・理論的に明確にした.
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