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1995 年度 実績報告書

スペースライダー用送信レーザシステムの基礎開発研究

研究課題

研究課題/領域番号 06452130
研究機関信州大学

研究代表者

野村 彰夫  信州大学, 工学部, 教授 (00115362)

研究分担者 長澤 親生  東京都立大学, 工学部, 教授 (80145664)
斉藤 保典  信州大学, 工学部, 助教授 (40135166)
キーワードスペースライダー / ライダー / レーザ / リモートセンシング / 地球大気環境
研究概要

和周波混合によりナトリウムD_2共鳴線(589nm)を得るための2波長(1319nmと1064nm)同時発振YAGレーザと非線形結晶(LBO)からなるレーザシステムの構築を行い,基礎的な実験を行った.一本のYAGロッドを使っていることから,2波長が競合しないように偏波面を直交させた.またそれぞれの波長のbuilt-up時間に違いがあることから1064nmの共振器内のQスイッチ信号回路に地縁回路を挿入し,Qスイッチのタイミングを可変できるようにした.またLBO結晶は,温度制御による位相整合をとるようにした.これらのレーザシステムにより2波長同時発振と和周波に関する基礎実験を行った結果,以下の点を明らかにすることができた.1319nmのQスイッチのタイミングを1064nmのそれより前にずらすに従い,前者の出力は増大し,後者急激に減少した.この傾向は,レーザの出力を増大させると更に顕緒となった.それぞれのパルス時間幅は,同一の共振器長(0.8m)の場合,13ns(1064nm)と98ns(1319nm)と両者に大きな差が生じた.そこで1064nmの共振器長を2倍の1.6mにすると42nsにまで長くなった.また和周波の実験から,前者の同一共振器長の場合,オフセット時間を79nsで589nmの最大出力が得られ,後者の共振器長の場合,オフセット時間15nsで最大の出力が得られた.さらに589nmの出力のLBO結晶温度依存性を調べた結果,共振器長に無関係に49.5℃で最適な位相整合が得られた.以上の基礎的実験から1台のYAGレーザから同時に1064nmと1319nmの2波長の発振が可能であり,さらに和周波をとることによりNaのD_2共鳴線である589nmのレーザ光を得ることが可能であることを明らかにした.今後,この結果を基に,実用的なレーザ送信システムを構築していく予定である.
次にTi: SapphireレーザをベースとしたK共鳴線(769.9nm)の発振実験について述べる.現有のYAGレーザ励起Ti: Sapphireレーザにアンプシステムを付加して,K共鳴線の高出力発振に成功した.このシステムを用いてフィールド観測をおこない,中間圈K原子の高度分布観測に使えることを確認した.

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 長澤親生: "可変波長レーザーを用いた狭帯域共鳴散乱ライダー" レーザー学会研究報告. NO,RTM-94-27. 35-41 (1994)

  • [文献書誌] E.Vallar: "Generation of 589nm laser radiation by sum freguency of 1064nm and 1319nm output of a single Nd-YAG laser" 18th International Laser Radar Conference(Berlin,July,1996). (予定). (1996)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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