研究概要 |
まず中央にサイズ可変の窓を持つ隣り合った部屋A,Dを作成し、それぞれA光源D光源で照明できるようにして実験を開始した。当初の計画通り第一段階実験として部屋Aに置かれた種々の色票の色を部屋Dから眺めてカラーネ-ミング法で判定した。このとき窓のサイズを2度、4度、8度、20度と変えて被験者に見せる部屋Aの初期視覚情報を変え、色の見えに対する影響を調べた。その結果、色の見えは窓のサイズとともに徐々に変化するが、とくに2度から4度に広げられたときに色の変化が大きいことが分かった。つまり部屋Aに対する照明認識視空間はある特定の窓サイズで急激に形成されるのではなく、徐々に形成されていくが、しかしとくに窓の小さいときに形成が急速であることが分かった。第2段階の実験は、部屋Aに置かれた刺激色票に局所照明をほどこし、色の見えのモードが変化する局所照明認識閾を求めるものであるが、まず上記の部屋Aの色票に局所照明ができるよう修正し、ついでそれぞれの色票に対して局所照明認識閾を測定した。窓サイズは上記と同じく2度、4度、8度、20度とした。実験の結果は、窓サイズが2度から4度に開げられたとき、閾にかなりの変化があるというものであった。つまり窓サイズが2度から4度に広げられただけの部屋Aの初期視覚情報の増大が、部屋Aの照明認識視空間の形成に大きく貢献することが示されたのである。これは上記のカラーネ-ミングの実験を確認するものであった。
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