研究課題/領域番号 |
06452134
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
小林 哲郎 大阪大学, 基礎工学部, 教授 (10029522)
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研究分担者 |
北川 勝浩 大阪大学, 基礎工学部, 助手 (20252629)
森本 朗裕 大阪大学, 基礎工学部, 助教授 (00142307)
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キーワード | 光ファイバ / カー効果 / 分散 / 自己位相変調 / サイドバンド / テラヘルツ / 純光学的 / 超高速 |
研究概要 |
周波数の異なる2つのコヒーレント光波を重畳して光カー媒質を伝搬させ、自己位相変調によってビ-ト周波数間隔で並ぶ超広帯域な光サイドバンド列を純光学的に生成し、回折格子などで分波してサイドバンド間の位相関係を空間フィルタで制御したのち合波することによって、電気的な帯域に制限されない超高速繰り返しの光パルス信号を発生することを目的として、以下の通り研究を行なった。 1.光ファイバの自己位相変調による超広帯域サイドバンド生成の解析 群速度分散までを考慮した大信号理論によって、短距離では異常分散領域に変調不安定性によるサイドバンド成長速度の有利な点があるものの、長距離では零分散波長で最大のサイドバンドが生成されることを確認した。 光ファイバの自己位相変調による超広帯域サイドバンド生成実験 波長1.55μm付近で出力50mWの2つの半導体レーザをペルチェ素子で冷却して波長を制御し、ビ-ト周波数を1THz以上から1GHz以下まで連続に可変できる2波長光源を作成した。この2つの光をビームスプリッタで合波して、零分散波長1.576μmの分散シフト光ファイバに入射し、17km伝搬後のスペクトルを、パワーとビ-ト周波数を変えて観測した結果、ビ-ト周波数依存性やパワー依存性などほぼ理論と一致する結果が得られた。例えば、ファイバ内への入射パワー20mWの場合、ビ-ト周波数43GHzでは自己位相変調によって生成された1つめのサイドバンドが元の光の13.8dB下に観測されたが、ビ-ト周波数87GHz以上では光スペクトラムアナライザのノイズレベル以下であった。本年度は、残念ながら光源波長とファイバの零分散波長が一致したものが入手できなかったため、僅かに正常分散の残留する領域で実験を行なったが、今後は零分散波長でTHz以上の高いビ-ト周波数の実験を進めて、高次分散の効果なども明らかにしてゆく予定である。
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