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1995 年度 実績報告書

バイオセラミック・コーティング材の界面残留応力評価に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 06452142
研究機関北海道大学

研究代表者

鵜飼 隆好  北海道大学, 工学部, 教授 (00001165)

研究分担者 柴野 純一  北海道大学, 工学部, 助手 (60206141)
村林 俊  北海道大学, 工学部, 助教授 (30200306)
但野 茂  北海道大学, 工学部, 助教授 (50175444)
キーワードバイオセラミックス / コーティング界面 / 残留応力 / 白色X線 / 弾性表面波 / 非破壊評価
研究概要

1.白色X線によるセラミックコーティング材の残留応力測定
新たに、白色X線によるコーティング界面近傍の三次元応力分布測定法を開発した。本法を用いてバイオセラミックコーティング材料のコーティング層と基材に分布する三次元残留応力分布を評価した。
コーティング試料は、ハイドロキシアパタイト(HAp)をサンドブラスト処理したチタン(Ti)にプラズマ溶射法でコーティングして作製した。コーティング膜厚は約100μmと52μmの2種類である。白色X線法による測定の結果を以下に示す。まず、基材Tiの試料表面に平行なx,y方向についてみると、サンドブラスト処理により表面に約500MPaの圧縮応力が深さに沿って減少する応力こう配が確認された。HApコーティング後は表面で引張り残留応力に変化した。その変化はコーティング層が厚い方が大きかった。また、コーティングによりz方向応力が発生した。HApコーティング層は、試料表面で約3GPaの圧縮応力がコーティング界面で約3GPaの引張り応力となる急な応力こう配を示した。コーティング膜厚による表面応力値の差は見られなかった。
2.弾性表面波によるセラミックコーティング層の残留応力測定
平成6年度に開発した測定システムを用いて、バイオマテリアルとして利用されているSUS316の表面の応力と弾性表面波の伝搬時間の関係を評価した。その結果、引張り応力場では弾性表面波の伝搬時間が増加し圧縮応力場では伝搬時間が減少する傾向を示し、理論解と定性的に一致した結果が得られた。
3.セラミックコーティング層の構造物性に及ぼす残留応力の影響評価
プラズマ溶射したコーティング層をX線により定性分析し、HApの多結晶構造であることを確認した。コーディング層の微小硬度試験および引っかき試験と残留応力の関係について現在検討中。
4.界面残留応力発生機構の数値シミュレーション
ハイドロキシアパタイトとチタンの熱膨張係数を考慮して、熱応力による残留応力の発生を簡単なモデルで求めた。その結果、コーティング層(HAp)に引張応力、基材(Ti)に圧縮応力が発生した。これを実際の測定結果と比較すると、定性的にコーティング層では一致したが、基材では逆の結果となった。また、定量的には、計算値は実際の残留応力値に比べかなり小さなものとなった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 柴野純一,他3名: "白色X線法によるセラミックコーティング界面近傍の残留応力評価" 日本機械学会論文集. 61. 1356-1362 (1995)

  • [文献書誌] 柴野純一,他3名: "白色X線法による表面仕上げされたオーステナイト系ステンレス鋼の残留応力評価" 日本機械学会論文集. 61. 2469-2475 (1995)

  • [文献書誌] J.Shibano,他3名: "Polychromatic X-ray Method for Residual Stress Measwement in a Ceramic Coating Interface" Proc.of the Intl Symposium on Advamced Thechnalogy in Exp.Mech.207-212 (1995)

  • [文献書誌] 柴野純一,他3名: "ψ角変化を利用した白色X線残留応力測定法" 北海道大学高エネルギー超強力X線回折室年報. 12. 18-20 (1995)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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