研究課題/領域番号 |
06452143
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
庄子 哲雄 東北大学, 工学部, 教授 (80091700)
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研究分担者 |
渡辺 豊 東北大学, 工学部, 講師 (10260415)
中島 美樹子 東北大学, 工学部, 助手 (80005488)
玉川 欣治 東北大学, 工学部, 助手 (30005368)
坂 真澄 東北大学, 工学部, 教授 (20158918)
伊達 和博 東北大学, 工学部, 教授 (10111254)
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キーワード | 疲労 / 損傷 / 非破壊検査 / 超音波探傷 / 交流電位差法 / 電気化学 / き裂型劣化 / 材質型劣化 |
研究概要 |
平成7年度には前年度に要素研究の成果として開発された疲労損傷計測手法を総合して疲労損傷計測・評価の技術基盤を確立した。材質型劣化を対象にし電気化学的手法、き裂型劣化を対象とした集中誘導型交流電位差法、先進型超音波法およびインピーダンス・スペクトロスコピー法を用いて、潜伏期間・き裂初生・微小き裂進展・巨視き裂への遷移という疲労損傷のすべての過程を平滑試験片についてモニタリングし評価を行った。低合金鋼、Ni基合金などの材料について、低サイクル疲労領域および高サイクル疲労領域の双方について上記の計測を行い、各計測法の適合性と寿命支配因子について材料および疲労条件依存性を調査した。この過程を通じて計測技術の高度化・最適化を図った。 具体的に数例を挙げる。圧力容器用低合金鋼SA533B-1を用いて疲労試験を実施し、疲労破断サイクル数との比で0、0.2、0.5、0.75、0.9、1.0の6段階の疲労過程の試験片を用意し、集中誘導型交流電位差法を用いて疲労損傷の非破壊評価を実施した。その結果、計測された規格化電位差の平均値および標準偏差は疲労損傷度と良い相関性を持ち、疲労損傷度の定量的非破壊評価が可能であることが確かめられた。また規格化電位差が1.2以上のものは疲労表面き裂を検出したものでき裂長さが評価でき、1.1未満の場合の電位差上昇からき裂初生以前の累積疲労損傷検出の可能性も示唆された。Ni基超合金INCONEL718の疲労試験を実施し、種々の疲労損傷度の試験を用意してエッチング法により疲労損傷の定量的計測を行った。その結果、損傷材においてはエッチングにより疲労特有の固執すべり帯が優先的に溶解することが判明し、すべり帯密度を計測することにより累積疲労損傷の推定が可能であることが確認された。
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