研究課題/領域番号 |
06452152
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
宮崎 則幸 九州大学, 工学部, 助教授 (10166150)
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研究分担者 |
池田 徹 九州大学, 工学部, 助手 (40243894)
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キーワード | 電子 / 光学デバイス / 単結晶 / CZ法 / 転位密度 / 熱応力 / 有限要素法 / Haasen-Suminoモデル / 結晶品質 |
研究概要 |
本年度の研究成果は下記の2点にまとめられる。(1)Si、GaAs、InPバルク単結晶を対象として、Haasen-Suminoモデルを用いることによりCZ育成過程中の転位密度を定量的にシミュレーションする解析コードは開発途上である。これまでの予備解析から得られた新たな知見は次の通りである。(1)仮定された初期転位密度が結果に与える影響は非常に小さい。(2)転位増殖速度は、GaAs、InP、Siの順で速く、Siの場合でさえ数秒以下で転位密度は定常状態に達し、InPではこれよりも2桁、またGaAsでは3桁ぐらい速いというように非常に速い転位増殖速度持つ。(3)InP、GaAsの方がSiより定常状態で大きな転位密度を与える。残された大きな課題は、離散的に与えられている育成途中の形状をどのようにして連続的な取扱いをするかであり、来年度に解析コードの完成を目指す。(2)LiNbO_3の熱応力解析については、本年度中に完了した。これまでに得られ知見は次の通りである。(1)c軸引き上げの方がa軸引き上げよりも最大熱応力値は低く、c軸引き上げの方がa軸引き上げよりも割れにくいという経験的事実を裏付ける結果が得られた。(2)a軸引き上げの方がc軸引き上げよりも結晶内部に熱応力が低い領域が広く分布している。このことは、a軸引き上げの方がc軸引き上げよりも高品質な単結晶が得られることを示唆している。a軸引き上げ単結晶とc軸引き上げ単結晶についてX線トポグラフィーにより結晶品質を調べた。この結果、a軸引き上げにより、サブグレインが少ない高品質単結晶が得られることが初めて実証され、高品質単結晶育成技術に対する熱応力解析の有用性を示すことができた。
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