研究概要 |
本年度の研究計画として、 (1).セラミックス-金属系複合材料の疲労劣化の計測 (2).セラミックス-セラミックス系複合材料の高温酸化性環境下における劣化の計測 について主に研究した。 (1).セラミックス-金属系複合材料としては、SiC粒子分散型アルミニウム合金複合材料を入手して、疲労試験片を製作した。また、油圧サーボ式疲労試験機(島津サーボパルサEHF-FB10kN-4LA)を購入・設備して、現在疲労試験を実施している。 (2).セラミックス-セラミックス系複合材料としては、織物SiC/SiC複合材料の試験片を用いて、常音から1,200°に至る高温酸化性環境中(大気中)で、衝撃音による弾性定数の測定値から材料の劣化を計測した。SiC/SiC複合材料の弾性定数は約800°から低下し始め、1,100°では約15%減少した。この材料をさらに1,100°に保持すると、最初の1〜2時間は弾性定数が低下するが、さらに長時間保持すると、弾性定数が再び増加することが判明した。これは材料の酸化などの化学反応による劣化と考えられる。以上の研究結果を1994年9月、米国デラウエアー大学で開催された米国複合材料学会(The American Siciety for Composites)のシンポジウムにおいて発表した。 本年の研究計画は予定どうり進行しているので、明年度をもって研究を完了できる予定である。
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