研究概要 |
(1)最新のセラミックス系先端材料として注目されている織物SiC/SiC,織物SiC/Al_2O_3,繊維強化SiC/Si_3N_4複合材料の常温から1,300℃にいたる弾性定数を衝撃音より計測し,データベースに収録した. (2)織物SiC/SiC複合材料を700〜1,200℃の高温に24時間保持しながら弾性定数の変化を計測した.700〜800°では弾性定数の値は時間とともに低下したが,900°以上では一旦低下した弾性定数が回復した.高温試験を行う前後の試験片を用いてオージェ電子分光分析を行い,弾性定数の低下はSiC繊維表面の炭素層の酸化によるものであり,回復は炭素層部に生成したシリカによることを確認した.また,設置した材料試験機を用いて,高温保持後の試験片の破壊試験を行い,弾性定数の低下と材料の劣化,とくに破壊強度の低下とが密接に関連していることを示した. (3)平板状の織物SiC/SiC複合材料試験片を用いて,常温から1,200℃の高温にいたる直交異方性弾性定数を計測するシステムを構築し,板状試験片の材料劣化が推定出来ることを示した. (4)実際のジェット・エンジンのアフタ-バーナー用ノズル・フラップを借用して,使用する前後の弾性定数を衝撃音より計測し,本研究の手法によって実部品の材料劣化が推定出来ることを実証した.
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