研究概要 |
平成6年度(1年目)は,設計,試作したマイクロAJM装置を使用し,基本的な硬脆材料(AlN,SiC,Si_3N_4,ジルコニア,水晶,パイレックスガラス等)の加工実験を行った.また砥粒の噴出速度は現有のレーザドップラー流速計で測定,評価した.そして加工表面に微細砥粒を衝突させたときの加工深さ,加工範囲を,噴射圧力,噴射時間,空気噴流速度,微細砥粒スペック(砥材,粒子径,噴射密度),微小径噴射ノズルスペック(ノズル径,ノズル走査速度,加工表面からの距離,ノズル角度)と関連させ調べた.その結果,加工量インプロセス制御のための加工データベースを構築することができた. また,ノズル下方の砥粒噴射部分にレーザ光を走査させ,その透過光をファイバー型CCDマイクロスコープで受光する.レーザー光は砥粒により遮られ,その透過割合は投光-受光系の間に存在する砥粒密度に比例する.これによりレーザ光軸上の砥粒密度を得ることができる.レーザ光を平面内で走査し、同様の方法で各走査位置での砥粒密度を知ることができ,CTの原理を用いてレーザ走査面内の砥粒分布を得ることができる.現在,その基本装置を組み立て,コンピュータプログラムの調整中である. これまでの実験により,噴射砥粒分布の測定に際し,砥粒混合濃度が低下してくると,検出感度が感度が低下する事がわかった.この点に関し,レーザの種類(波長)を変えることにより,視認性をあげることができるかどうか検討中である.また得られた分布形状から.砥粒はノズル中心線からかなり広範囲に飛散していることが明らかになった.したがって,アスペクト比の大きい溝加工,穴加工をするためには,飛散が少ない,すなわち集中噴射が可能なノズル形状の開発,改良が必要と考えられる.この点に関して,現在,アブレイシブ・ジェット・マシニング装置を新たに設計している.
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