研究概要 |
光学顕微鏡下で微小ファイバを切断し,マイクロハンドでクランプしながら鍛造する連続加工システムを試作した.本システムはファイバの送り・切断装置および切断された試料のハンドリング・鍛造装置などから構成されている.ファイバの送り・切断装置では,ファイバをつかみ送るハンド,切断するマイクロカッタなどを製作した.ハンドは圧電素子の変位をテコで拡大して開閉する機構となっており,直径数10μmのファイバをクランプすることができる.送りには平行平板構造のブロックが用いられ,この中に圧電素子が組み込まれて,その変位が拡大されて駆動される仕組みになっている.ファイバを切断するマイクロカッタはタングステンの薄板からヤイヤカットで刃先を作成して製作した.切り出した試料をハンドでクランプして移動し,マイクロプレスで圧縮して塑性加工を行った.このプレスも圧電素子で駆動されるものである.このように本システムを用いて,微小ファイバを切断し,圧縮加工する基本的なプロセスが可能であることを確認した.しかし同時にいろいろな課題が明らかになった.例えば,観察の際に光学顕微鏡では焦点深度が浅いために,試料にピントを合わせると,全体像が見えなくなってしまうことや,ハンドやカッタの保持部分の剛性が低く,必要以上に大きな駆動を必要とすることなどである.これらの問題を次年度において解決していくつもりである.
|