研究課題/領域番号 |
06452160
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研究種目 |
一般研究(B)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
遠藤 勝義 大阪大学, 工学部, 助教授 (90152008)
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研究分担者 |
山内 和人 大阪大学, 工学部, 助教授 (10174575)
森 勇蔵 大阪大学, 工学部, 教授 (00029125)
片岡 俊彦 大阪大学, 工学部, 教授 (50029328)
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キーワード | 走査型トンネル顕微鏡 / 走査型トンネル分光法 / シリコンウェーハ / 元素分析 / 金属汚染物 / 表面分析 / 局所状態密度 / 電子構造 |
研究概要 |
本研究の目的は、STM/STSを用いて、Siウェーハ実用表面のあらゆる金属元素を10^8atoms/cm^2以下の感度で検出する極微量元素分析法を確立することである。本方法は、STM/STS(Scanning Tunneling Microscopy/Scanning Tunneling Spectroscopy)で金属原子が吸着している位置の局所状態密度(Local Density of States;LDOS)を測定し、第一原理分子動力学に基づくLDOSの計算結果との比較から、吸着元素の同定を行なうものである。 本年度は、次の3項目を達成することができた。 1)STM/STSシステムの設計・製作 各原子位置における電子のLDOSを求めるのがSTSである。試料バイアス電圧V、トンネル電流Iとしたとき、LDOSはdI/dV/I/Vに比例することが明らかにされている。そこで、STMで原子レベルの形状を計測すると同時に各測定点(原子位置)でI-V特性を測定し、dI/dV/I/Vを数値演算することから、すべての原子位置でのLDOSを求めるシステムを完成した。しかし、サンプル&ホールド回路のスイッチングノイズを低減する必要があることがわかった。なお、STM制御系の追従周波数を1KHzまで大幅に向上することに成功した。 2)Si(001)水素終端化表面のSTM/STS観察 3)Cu^<2+>で汚染したSi(001)水素終端化表面のSTM/STS観察 Cu^<2+>を含む溶液中にSiウェーハを浸すことにより、Cu原子を吸着させたSi(001)表面をSTM/STSで観察した。その結果、STMからCu原子が吸着したと考えられる近傍で、2)で観察したSi(001)水素終端化表面とは違った特徴的なLDOSが測定された。このことより、表面吸着原子の元素分析の可能性が示せた。
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