研究概要 |
本研究課題は、コンカレントエンジニアリングを実現するには実際的なコンピュータによる支援が不可欠であるとの考えに立ち,具体的な研究課題として「統合的な対象モデリング」と「多領域最適化手法」を取り上げ,コンカレントエンジニアリングのための実際的な方法論を確立することを目的としたものである。本年度における研究実績は以下のとおりである。 研究の進展状況…コンピュータによる具体的な支援技術としてのコンカレントエンジニアリングを実現するための基盤として,各種の設計処理を統合化するためのモデリング手法を,オブジェクト指向プログラミングの技法を導入することにより,構成した。また,多領域最適化の問題についても,リンク機構やトルクコンパータの形状設計問題を取り上げ,複数の設計目標間の協調化を行なうための最適化手法を構成しつつある。これらの内容は,設備として購入のワークステーションを用いて具体化を進めてつつあり,試行に入っている段階にある。なお,継続する次年度においては,これらの試行を具体化していくとともに,それらの結果を踏まえた方法論の体系化を行なう。 研究の成果……コンカレントエンジニアリングを具体化すべき現実的事例として,空調機の機器配置配管統合化設計問題,リンク機構の多領域最適化問題,トルクコンバータの形状最適化問題などを取り上げ,それらの内容に関する分析に基づいて,オブジェクト指向プラグラミングを基盤とした,形態や形状などからなる階層的なモデリング手法を構成する一方,最適化計算に関連しては,自動モデリングのための方法や設計目標間の協調化のための方法を構成した。
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