研究課題/領域番号 |
06452176
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
松尾 一泰 九州大学, 大学院総合理工学研究科, 教授 (30037759)
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研究分担者 |
宮里 義昭 九州大学, 大学院総合理工学研究科, 助手 (30253537)
青木 俊之 九州大学, 大学院総合理工学研究科, 助教授 (20150922)
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キーワード | 圧縮性流体 / 超音速ノズル / チョーク現象 / フラッシュ蒸発 / マイクロノズル |
研究概要 |
本年度の研究により得られた成果は次の通りである。 1.高温高圧の圧縮水が先細ノズルにより等エントロピー膨張を行う場合の流れは、(1)圧縮水の状態で流れがノズルスロートで臨界状態に達する場合、(2)等エントロピー変化により温度と圧力が減少し、飽和状態に達すると同時に流れが臨界状態となる場合、(3)飽和状態に達しても流れはチョークせず、そのままノズル内で膨張が続き、フラッシュ蒸発が起こって気液二相流となり、その後ノズルスロートで臨界状態に達する場合の三つに分類される。 2.上記の三つのケースにつき、フラッシュ蒸発により発生する気泡は均質に分散し、かつ気泡と液体の流速は等しいと仮定して、臨界流量を算出する流れモデルをつくり、数値計算を行った。この流れモデルによれば、臨界流量はスロート上流の状態のみに依存し、下流の状態には依存しない。計算結果は従来の実験結果とかなり良く一致する。 3.実験によれば流れがスロートで臨界状態に達した瞬間にスロートより上流に伝播する過渡的圧力変動が生じる。これはスロートの位置で圧力波が発生し、流れを調節するために上流に伝わるためと考えられる。圧力波が気泡を含む気液二相流中を伝播すると、圧力は不連続的に上昇した後、時間とともに周期的に変動する。これは圧力変動に伴う気泡体積の変動に起因すると思われる。 4.気体のみの単相流に対する超音速マイクロノズルの特性に関して実験と数値計算の両面より研究を行った。その結果、ノズル出口マッハ数が約3以下の場合、マイクロノズルの過膨張、適正膨張、及び不足膨張の範囲は通常の大きさの超音速ノズルとほぼ同じであるが、出口マッハ数が約3より大きいノズルでは異なってくることが明らかになった。このようなノズルに対する臨界流量に関する資料が得られた。
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