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1996 年度 実績報告書

臨界圧域における液体燃料の蒸発と着火

研究課題

研究課題/領域番号 06452180
研究機関東北大学

研究代表者

新岡 嵩  東北大学, 流体科学研究所, 教授 (90208108)

研究分担者 丸田 薫  東北大学, 流体科学研究所, 助手 (50260451)
じゅ 詒光  東北大学, 工学研究科, 講師 (60261468)
小林 秀昭  東北大学, 流体科学研究所, 助教授 (30170343)
キーワード臨界圧 / 液体燃焼 / 噴霧燃焼 / 液滴燃焼 / 高圧燃焼
研究概要

燃料噴霧の着火から燃焼に至る現象を支配する物性値は,熱伝導率,定圧比熱および拡散係数などであるが、これらは臨界圧域で著しい変化をする.熱移動は速く,物質移動は遅くなる傾向にある.このため蒸発から着火に至る過程が常圧とは異なった特異な変化をすることが予測される.そこで,本研究は,燃料噴霧の着火から燃焼に至るプロセスに対する圧力の影響を把握するため、上圧から超臨界圧までの広い圧力範囲において,燃料噴霧をモデル化した燃料液滴列の燃え拡がり実験を行った。
燃料としては、常温での蒸発がほとんどないデカンおよびヘキサデカンを用いた。液滴径は0.5-1.0mm、7個の液滴間隔は1-5mm、雰囲気圧力は0.1-1.6MPaの範囲で変えた。燃え拡がり速度は、液滴直径と液滴間隔によって変わるので、その効果を主に調べ、一定の液滴直径では、ある液滴間隔で燃え拡がり速度が最大値をとることなど新しい知見を得た。間隔が狭いときには、燃え拡がる火炎が冷却されて、また間隔が大きいときには液滴回りの火炎の大きさが不足して燃え拡がり速度が小さくなることがわかった。
混合燃料を用いた場合、燃え拡がり速度は概ね混合割合に応じて単純に変化するが、最大の燃え拡がり速度を示す液滴間隔はほとんど変わらない。また、雰囲気圧力を変えたところ、圧力と共に単純に燃え拡がり速度は減少し、燃料の臨界圧力近傍でも何の変化も示さなかった。そして、更に圧力を上げると、燃え拡がりはできなくなった。このような現象は、従来の単一液滴の着火や燃焼における現象と明らかに異なったものとなった。
一連の燃え拡がり速度の統一的解釈を進めた。火炎球直径で無次元化した液滴間隔を横軸とし、火炎球直径とこれを決定する物性値である拡散係数で無次元化した燃え拡がり速度を縦軸として整理したところ、概ねすべてのデータを一つの曲線にまとめることができ、この曲線が、従来の微小重力場で測定した微粒子群火炎伝播速度の傾向と一致した。従って、常温で蒸発しない分散燃料の火炎伝播速度は液滴間の燃え拡がりが基本的メカニズムであるということと結論したい。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 加藤伸一郎: "微小重力場における燃料液滴列の燃え拡がり実験" 日本マイクログラビティー応用学会誌. 第13巻 4号. 347-348 (1996)

  • [文献書誌] Kato Shinichiro: "Flame Spread Experiment of a Fuel Droplet Array in High-Pressure Ambience" The Third KSME-JSME Thermal Engineering Conference. 263-268 (1996)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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