研究概要 |
内径85mm,幅20mmの円板形状燃焼室へ,メタン-空気混合気(当量比φ=0.7,0.8,1.0,1.2)を接線方向に流入せしめて旋回乱流場をつくり,燃焼室中心にて電気火花にで点火し,伝播中の乱流火災断面像をレーザシート法により撮影し,サークル法を用いてフラクタル解析を行った.Nd ; YAGパルスレーザとCCDカメラにて撮影した時系列データの解析も行った。この場合の光源は,アルゴンイオンレーザである.得られた主な結果は次の通りである. (1)点火直後の火炎面には乱流の影響があらわれず,ほぼ球形に伝播する.この時期の火炎面には明確なフラクタル性はみられない.その後火炎面は乱流の影響を受けて,フラクタル性をもつようになる.さらに,火炎伝播に従い,火炎面の凹凸が小さく分割されていき,凹凸の程度が激しくなり,インナーカットオフ値ε_iは小さくなってある一定の値,フラクタル次元D_3は大きくなって一定値に近づく,この結果は,CCDカメラによる一回ごとの実験データでも,高速度カメラによる時系列データでも同様に得られた. (2)アウタ-カットオフ値ε_oは火炎の等価半径r_fにほぼ等しい. (3)燃焼質量割合が同じになるときの質量燃焼速度,M_<bL>(層流)とM_<bT>(乱流)の比はフラクタル特性値を用いて次のように表される。 M_<bT>/M_<bL>=[L(ε_o)/(2πr_f)](ε_i/ε_o)^<2-D_3>,L(ε_o)=フラクタル輪郭曲線の長さ (4)この関係と火炎伝播モデルを用いて,密閉容器内乱流予混合火炎をシミュレートすることができた.
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