研究課題/領域番号 |
06452191
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
樋口 俊郎 東京大学, 工学部, 教授 (10111569)
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研究分担者 |
岡 宏一 東京大学, 工学部, 助手 (10160649)
黒澤 実 東京大学, 工学部, 助教授 (70170090)
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キーワード | 1ビットディジタル変調 / ロ-ビットレートコーディング / ディジタル制御 / ディジタル信号処理 |
研究概要 |
本年度は、1ビットディジタル変調回路の製作と信号処理回路の考案・シミュレーション・試作および、制御回路への応用と実験を行った。また、1ビット出力型の変位センサを考案し、試作を行った。 まず、信号処理回路に関しては、加減乗除算回路を考案し、シミュレーションによりその動作を検討した。加減算回路では、回路の試作も行い、信号同士の演算が時間遅れなしに実現されることを示した。乗除算回路は、信号に対して定数倍(p/q倍;p,qは自然数)するアルゴリズムを考案し、シミュレーションにより動作を確認した。さらに、信号の微積分回路につてもアルゴリズムを考案し、その動作をシミュレーションにより検討した。以上により、1ビット信号のままで、信号の4則演算と微積分が可能であることを明らかにした。 1ビットディジタル信号処理による制御系実現に関しては、ジンバル磁気軸受けを制御対象として実験を行った。1ビット信号処理回路としては、A/D変換回路と加算回路が使用可能であるので、実際に1ビット信号を用いたのは、変位信号と速度信号の加算部分と磁気回路の駆動部分とであった。残りの部分はアナログ信号のままとして最適レギュレータを構成した。本システムにおけるサンプリング周波数は500kHzとしたので、ほぼアナログ信号処理と同様な応答速度を実現した。また、磁気回路の駆動に関しては、PDM(パルス密度変調)方式の駆動回路で直接駆動を行い、良好な結果が得られた。 制御系のすべてを1ビット化する事を意図して、1ビットディジタル出力型の変位センサを考案・試作した。静電容量型の自励型センサで、変位による静電容量変化を発信周波数に変換することで、変位量をPDM(パルス密度変調)信号へと直接変換可能であることを理論と実験により示した。
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