研究課題/領域番号 |
06452192
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
中尾 政之 東京大学, 工学部, 助教授 (90242007)
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研究分担者 |
松本 洋一郎 東京大学, 工学部, 教授 (60111473)
畑村 洋太郎 東京大学, 工学部, 教授 (40010863)
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キーワード | 分子動力学 / ナノラボラトリ- / 微小接触 / 微小摺動 / 微小塑性流動 |
研究概要 |
平成6年度では、精密実験装置の設計・製作とそれによる接触点に生じる力の測定と、分子動力学によるその接触点に生じる力の理論計算と、を平行して行った。 精密実験装置は、FE-SEM内に試料・触針・微動装置・微小力センサなどを組入れ、1μm以下の微小接触点を観察しながら、そこに働く押込力・摩擦力を分解能10μNの2軸微小力センサで、2方向の変位を歪ゲージによる変位形で、それぞれ測定できるものである。これを設計・製作した後、その評価のために試料として、大形コンピュータ用のコネクタピンに用いる金メッキ薄膜や、磁気ディスク用の保護膜に用いるカーボンスパッタ薄膜を用いて、そこの微小接触点で生じる電気抵抗や摩擦・摩耗を測定した。 分子動力学の理論計算では、固体接触点に挟まれた気体吸着層による異常摩擦(吸着)を計算した。 計算では、計算機の計算速度に制限があるため、上述の微小接触点よりさらに小さく10nmとしたモデルで行った。このため、計算結果と測定結果とを比較するには、測定における微小接触点をさらに小さくする必要がある。これには先が尖った針を準備するだけでなく、剛性を1000N/μmと大きくしたままで、分解能を0.05μNと小さくした2軸の微小力センサが必要である。現在、厚み10μmの平行平板構造を有し、変形を超小形レーザ測長機で測定する力センサを開発中であり、これによって微小接触点をさらに小さくする予定である。
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