研究概要 |
本研究により平成7年度に得られた具体的な研究成果を以下に示す。 1.平成6年度においては,発泡ゴムの立体表面に,複数の大変形歪ゲージをセンサとして配置し,各部に加えられた変形を電気的に計測できる3次元変形入力装置を考案,設計,製作した。しかし,この方式では,大変形歪ゲージ自体の変形限界である20%以上の変形を操作として加えることができなかった。そこで,弾性係数の大きな天然ゴムのブロックに歪ゲージを配置,それを弾性係数の小さな発泡ゴム中に埋め込むことにより,入力装置に加えられた変形操作を縮小して歪ゲージに伝達する入力装置を考案した。これによって,変形量40%までの入力が可能となった。 2.平成6年度においては,形状を操作する際の位置・姿勢の指定や,システムの様々なモード切り替え等の操作については,従来のダイヤルおよびマウスを用いていた。しかし,この方法では,ダイヤルやマウスの操作のために変形入力装置から手を離さなければならず,また移動および回転の計6軸の入力を行うには直接性,直観性の点で問題があった。このため,平成7年度の成果として,3次元空間磁気センサを変形入力装置に組み込み,モードの切り換えには手を使う必要のないフットスイッチを用いる構成を考案した。 3.本研究の形状操作システムと既存のCADシステムとの間で,1GES(Initial Graphics Exchange Specification)ファイルを介して,形状データを交換する機能を実現した。これによって,既存のCADシステムで作成した形状に対して,本研究のシステムにより直接,直観的に3次元的変形を加え,その結果を既存のCADシステムに返すことにより,数値的に正確な仕上げを行うこと等が可能であることを示した。
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