研究概要 |
球面SCARAロボットに関する研究の過程において,このロボットが装飾品加工に適していることが明らかになった.そこでティーチング及びプレイバックを別々のロボット等に分担させ,またその間のデータ処理をCGマシンによりデータ処理を行う工芸品加工システムを構築した. 本年度は試作ロボット(球面加工機)に関する研究を継続して行い,周辺(画像入力系)を含めた装置として完成させた.またティーチングロボットによる接触測定の3次元形状データとビジョンによる非接触測定の3次元データを重ねあわせ,相互に補間できる測定方法を確立した.特に非接触測定においては曲面形状計測を可能にするため,イメージエンコーダと呼ばれる形状再生のための画像合成装置によって,光切断法により得られたイメージの投光角度を空間コード化法により直接画像合成することにより形状再生を行った.この画像処理方法は通常のEWS程度で処理できる程度の比較的簡単なものであり高速化の際に有利である.なお測定精度は0.194mmであり加工用ロボットの空間精度(1σ=0.37mm)よりも良く実用上問題ないことが確認された.またこのロボット加工システムを用いて,工芸品の切削加工および医療用の加工として工芸品加工と同様の性能を要求される歯列加工を行い,かなり良好な結果が得られた.
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