研究概要 |
平成6年度 1.交流用超伝導ケーブル導体内の電流分布解析コードの開発:素線絶縁のない撚線ケーブル導体における交流通電定常時の導体内電流分布および常伝導転移直後の導体内の電流再配分や温度分布を解析する計算機コードの開発を主として行った。 1)分布定数回路を用いた撚線ケーブル導体内の電流分析解析用コードを開発した。 2)一次元有限要素法に基づく撚線ケーブル導体内の温度分布解析用コードを開発した。 3)ピックアップコイルを用いた撚線ケーブル導体内の電流分布評価法を開発した。 2.超伝導ケーブル導体における素線間接触電気抵抗の高感度測定法の開発:超伝導トランスを用いた装置を提案・試作し,〜10^<-8>Ωの感度が得られることを示した。 平成7年度 1.交流用超伝導ケーブル導体の常伝導転移特性:初年度開発した解析コードの妥当性を検証し,ケーブル導体の常伝導転移時の振る舞いを明確にするための実験を行った。 1)3本撚線ケーブル導体を試料として,常伝導転移実験を行い,解析コードの妥当性を確認した。 2)解析と実験から,導体の材料特性や冷媒の熱特性パラメータの影響を明確にした。 2.素線間接触電気抵抗の実測:加速器用ラザフォード型導体を試料として測定を行い,良好な結果を得た。 平成8年度 1.交流用超伝導ケーブル導体の常伝導転移特性:新に3次元有限要素法コードを開発し,素線断面方向の温度分布の影響を考慮できるようにするとともに,最終年度として3年間に得られた知見をもとに高安定な導体構成の設計指針を示した。 1)安定性を高めるために銅を複合させた線材について解析と実験を行った。 2)銅を素線表面に施す(銅シース)と過渡安定性が大きく向上することを定量的に示すことができた。 2.素線間接触電気抵抗の実測:加速器用ラザフォード型導体についてキュア温度や圧力を変え測定を行った結果,素線表面状態と接触抵抗の関係を一部明らかにすることができた。
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