研究課題/領域番号 |
06452211
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
松浦 孝 東北大学, 電気通信研究所, 助教授 (60181690)
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研究分担者 |
澤田 康次 東北大学, 電気通信研究所, 教授 (80028133)
室田 淳一 東北大学, 電気通信研究所, 教授 (70182144)
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キーワード | 原子層エッチング / Si / 自己制限 / イオン誘起反応 / ラングミュア吸着 / 分数原子層 / ECRプラズマ |
研究概要 |
本研究の目的は、極微細加工のためのSiの原子層エッチング過程において、Si清浄表面への反応性原子の自己制限型吸着の素過程と、その吸着表面で低エネルギーイオン入射により誘起されるエッチング反応過程を基礎的に解明する事である。本年度は、2年計画の1年目として、超高清浄雰囲気下でSiウェハ表面に塩素を反応性原子として飽和吸着させ、エネルギーを閾値範囲内に低減した高密度Ar^+イオンを超高清浄ECRプラズマ装置により瞬時的に入射する研究を行い、以下のような分数原子層エッチング条件を見い出し、その吸着・反応過程を調べた。すなわち、原子層エッチング途中のSi表面への塩素原子の吸着をESCAにより分析すると、2個以上の塩素原子の結合したSi原子は表面に残っていない事、(100)、(111)、(110)、(211)面では、1サイクル当たりのエッチング量は、飽和エッチング量と塩素の見かけ上の吸着速度定数を用いて、Langmuir型吸着方程式により表される事がわかった。また、1サイクル当たりの飽和エッチング量は、各面方位ともそれぞれの1原子層厚に簡単な分数を掛けた値になる事も見い出した。更に、Si表面に塩素分子のみを吸着させた場合、それらの飽和値は、塩素ラジカルの吸着を含む場合のそれぞれの値と比べて、約1/2倍になるという結果を得た。飽和エッチング量は、各面方位の表面ボンド構造と塩素の吸着サイトを考慮すると、簡単な関係式で表されることも見い出した。また、表面吸着評価のための分析装置を整備し、次年度へ引き続く研究の準備も行っている。研究成果の一部は国際学術論文誌・国内学会誌等に掲載され、また、国際会議等に於いて発表予定である。
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