絶縁膜上に電子ビームをしきい値(1×10^<16>cm^<-2>)以上照射し、ナノスケース(10nm以下)領域にSiの選択エピタキシャル成長を行う方法を確立しつつある。そして、極微小領域Si単結晶島の結晶性を明かにし、ナノスケール素子への展開の基礎を築いていく。Al_2O_3(0112)サファイア基板、及びエピタキシャルAl_2O_3(100)/Si(100)基板上に10nm以下の領域を残すように電子ビーム照射実験と成長実験を行った。極微細領域の実験を行うための描画方法の確立のためCADシステムによりパターンを作製し、電子ビーム描画装置の照射条件を最適にする条件をほぼ出せるようになった。実際にそれを用いて成長させているところであり、極微細パターンを電子ビーム描画装置で絶縁膜上へ照射し、当初の目的とするところへ、最近かなり近づけることが出来るようになってきたところである。 また、選択成長の程度の物差しとなる孵化時間を調べる実験を行い、電子ビーム照射量と成長温度が選択性に大きく関与していることを定量的に明らかにできた。当初平成7年度にクライオスタットを購入する予定であったが、本学の他の部署で用いていたもを少しの部品の取り替えと、修理することで流用できる見通しが立ったので現在立り上げ中である。これまで、光学系は立ちあげることが出来、液体窒素温度までのホトルミネッセンス測定が出来るようになった。さらに液体ヘリューウム温度まで下げるため、一部修理を行い、まもなく完成できるところまできた。また、SiGe/Al_2O_3/Si構造において、高品質なAl_2O_3膜が固体ソースを用いて形成できることが判明し、これからの研究が期待できる。
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