研究課題/領域番号 |
06452219
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
吉野 勝美 大阪大学, 工学部, 教授 (70029205)
|
研究分担者 |
河合 壮 大阪大学, 工学部, 助手 (40221197)
尾崎 雅則 大阪大学, 工学部, 助教授 (50204186)
大森 裕 大阪大学, 工学部, 助教授 (50223970)
|
キーワード | 導電性高分子 / 絶縁性高分子 / パーコレーション / 複合体 / フォトクロミック色素 |
研究概要 |
導電性高分子としてポリピロールおよびポリアニリン、絶縁性高分子としてポリエチレン(PE)、ナイロン、およびポリスチレン等を用いて各種の複合体を作製した。数ミクロン〜数十ミクロンのサイズの種々の形状の絶縁性高分子の粒子をポリピロールで薄く(0.05μm以下)コーティングし、未コーティングの粒子と共に複合化した。その導電率は、コーティングした粒子の濃度(比率)に強く依存した。その濃度依存性はパーコレーション伝導に起因する絶縁体-金属転移を示し、閾値濃度は絶縁性高分子粒子の形状に依存する事、電圧電流特性に高電界になると顕著な非線形性が現れることなどを見いだし、そのメカニズムをしらべた。 ポリアニリンの場合には、ポリスチレンと共溶媒に溶かし、キャスティングすることにより複合体フィルムを作製すると、やはりパーコレーション伝導が生じていることが明らかになった。また、その性質は薄膜化方法にも依存する事を明らかにした。 一方、導電性高分子ポリチオフェン、ポリ(p-フェニレンビニレン)置換体と電気化学的方法で作製した薄膜のPMSB(ポリビスメチルスチリルベンゼン)積層膜は極めて特徴的な電流電圧特性を示し、新しい電子機能素子の可能性を見い出した。 更に、導電性高分子とフォトクロミック性を有する絶縁性分子の複合体においてその導電率が光照射により制御可能であり、しかもメモリー性を有していることを明らかにした。
|