研究概要 |
トレリス符号化変調方式を移動体通信で使用されている変調方式と組み合わせることによって,より信頼性の高い移動体通信が可能である.本研究の目的は,多次元トレリス符号化変調方式を移動体通信へ積極的に適用し,より高品質な次世代移動体通信方式を構築する.我国ではπ/4シフトQPSK方式が標準となっているが,本研究では、これと同様な信号点遷移規則をもつトレリス符号化変調方式を多次元空間で構成する. 1.信号点配置設計 本方式は多次元PSKのシンボルを,一つの単位とした信号点配置を構成する.このシンボルのうち,π/4シフトQPSK方式の信号点遷移規則と等価な遷移を選び出し,これらを信号点として利用する.信号点配置設計では,本方式で用いる信号点配置を構成し,そのラベルをSet Partioningに基づいて決定した. 2.畳み込み信号の探索 設計した信号点配置に適合した畳み込み符号を見い出すために,ある拘束長の畳み込み符号の中で最小ユークリッド距離が最大となる符号を探索した. 3.符号化器・復号器の設計 信号点配置,畳み込み符号の構成結果に基づいて,符号化器,復号器を計算機を用いて設計する.符号化器に差分符号化機能を統合することで受信信号の位相回転に対して不変な方式を実現した.また,復号処理のほとんどを占めるViterbi復号器における処理の中で,パラレルパスの復号法に対して複号処理の高速化を提案した.
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