研究課題/領域番号 |
06452243
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研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
赤岩 芳彦 九州工業大学, 情報工学部, 教授 (80202505)
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研究分担者 |
古川 浩 九州工業大学, 情報工学部, 助手 (60260725)
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キーワード | マイクロセルシステム / チャンネル割り当て / 自律分散制御 / 周波数利用効率 / 基地局 / 送信電力 / 無線システム / ゾーン |
研究概要 |
高い周波数再利用効率が達成される2つの自律分散ダイナミックチャンネル割り当て方式、チャンネル棲み分け方式と自己組織化チャンネル再利用分割方式を組み合わせた場合の特性を計算機シミュレーションにより解析した。その結果、移動局の空間分布や建物などの障害物による伝搬損失の不規則性を考慮した場合に、チャネル棲み分けの効果が反映されないことが判明した。一方、自己組織化チャンネル再利用分割方式においては、チャンネル優先度を決める際に用いる基地局受信レベル参照テーブルの内容にあるレベル幅を設けることによって、特性が向上することが明らかになった。 また、周波数再利用効率を飛躍的に高めることができるマクロセル・マイクロセル階層システムをTDMAおよびCDMAシステムに適用した場合に着目し、特にマクロセルとマイクロセルで同じチャンネルを同時に再利用するシステムの特性を理論計算によって明らかにした。その結果、CDMAシステムにおいて飛躍的な容量の向上を得るためには、マクロセルとマイクロセルの間のサイトダイバーシチ(常に最も品質の高い基地局を選択する技術)が必要であり、そうでなければ、TDMAとCDMAの容量差は問題となるほどのものでないことが明らかとなった。マクロセルとマイクロセルの間のサイトダイバーシチは、マイクロセルを高速で移動する移動局に対するハンドオーバー(移動局の移動に伴う基地局の接続替え)の頻発を救済することが不可能となるためにできる限り避けたい。結局、多くの文献でCDMA方式の方がTDMA方式よりも高い容量が得られると主張しているにもかかわらず、マクロセル・マイクロセル階層システムにおいては、CDMAのTDMAに対する容量の向上はマクロセル・マイクロセル階層システムの有効な一面を切り捨ててのみ達成されることとなった。
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