(1)自律協調型データベースアクセルのセキュリティ アクセルコントロールに着目し、人間の身体的特性として、筆跡どよび音声を用いた個人認証アルゴリズムの検討を行なった。本研究の特徴は、身体的特性から個人性を反映するカテゴリを抽出し、このカテゴリに重み付けを施して、テキスト非依存型の本人照合方式を提案することにある。当該研究期間でカテゴリ抽出の基本アルゴリズムを提案し、筆跡情報を対象として評価を行い、有効性が確認できた。なお、本研究成果は論文としてまとめている。一方、話者照合に関しては、適切なカテゴリ分割と抽出法が架台として残された。なお、関連する研究成果として、調音動作のパラメータに着目した話者照合方式について検討を行い、符号化された音声情報のみで個人認証が可能となる見通しを得た。 (2)分散協調型データベース処理システム 自律協調型データベース処理システムについてシステム構成法、仕様記述環境の在り方およびユーザーインタフェースの実現について以下の研究を進めた。(1)超分散システム:自律協調環境の一実現法として、柔軟なネットワーキングによる超分散システムを提案した。また、このようなシステムが社会に与えるインパクトいついても考察した。(2)データ駆動型仕様記述環境:いわゆるソフトウエアの再利用性を向上させるため、仕様記述とプログラムの一貫性を維持できる体系および改変時の副作用検出支援手法を提案した。(3)マルチメディアインタフェース:この仕様記述環境のインタフェースをよりユーザーフレンドリにするためのマルチメディア技術の導入について検討した。 (3)自律協調方式 分散データベースネットワークにおける分散協調型ルーティングアルゴリズムに関する基礎検討を行なった。すなわち、社会生を有する生態系の行動パターンをアルゴリズムに取り入れたルーティングモデルを提案し、その機能評価を行なった。その結果、ネットワーク故障時の信頼性に優れる等の特徴を確認することができた。
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