研究概要 |
本研究は,多重スレッド方式という従来にない全く新しいアーキテクチャを持つプロセッサのVLSI化を目指すものであり,VLSI化を達成すると画像生成用プロセッサの性能を飛躍的に向上させることが期待できる。本年度は,設計に高位合成システムを活用することにより,極めて複雑な構造をもつ多重スレッドプロセッサの諸機能を,単純な動作記述や所有する機能部品の単純な記述により表現することに成功した。また,この記述に対して,高位論理合成システムは自動的にハードウェアを合成する。さらに,トップダウン方式ASIC統合設計ソフトウェアにより,レイアウト設計,設計検証などを行なった。 具体的には,以下の3項目を研究分担者で分担し,研究代表者(白川)のもとで統合するという形で研究を遂行した。 プロセッサの論理設計(尾上) 1.ハードウェア記述言語で記述された多重スレッドプロセッサを,高位論理合成システムを用いて幾つかの論理ブロックに展開し,各ブロックに対する機能シミュレーションを行ない,その動作確認後に論理合成を行なうことにより,各論理ブロックの論理設計を完成した。 2.プロセッサのレイアウト設計(重弘) 論理合成を終了したプロセッサの各ブロックについてトップダウン方式のASIC統合設計ソフトウェアを用いてフロアプランおよび詳細レイアウト設計を行なう。また,得られたレイアウトの検証,各種評価を行なった。 3.プロセッサの設計検証(石浦) プロセッサの形式的検証アルゴリズムを設計し,このアルゴリズムを用いてプロセッサの設計誤りを特定することに成功した。
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