研究概要 |
平成6年度には双曲面鏡をテレビカメラの前に設置した新たな全方位視覚センサの試作,全方位視覚センサからの情報を用いた環境の大局モデルの作成,大局モデルを用いた移動経路の計画と更新について研究を行った.平成7年度には以下の研究を行った. [1]注視物体の発見:局所視で注視すべき物体を発見する方式の研究を行った。注視物体としては、(1)作業対象となる物体、(2)目的地に移動するときの経路の目印(道しるべ)となるもの、(3)通行を妨げる障害物(狭い通路)、(4)不審物、(5)衝突の危険のある移動体(人など)である。それぞれを発見する専門家モジュールを作成した。これらの専門家モジュールが常に大局モデルを監視し、候補が見つかれば局所視を起動して検証するという方式をとった。 [2]局所視による注視物体の詳細な立体形状の認識:発見された注視物体の候補を局所視で注視しながら移動し、その詳細な立体形状を認識する研究を行った。注視すべき物体の3次元位置と形状は大局視により概略分かっているので、物体がカメラの中心にくるようにカメラを回転し、画面いっぱいに写るようにズ-ムを制御し、また鮮明な画像が得られるように焦点調節する。いくつかの視点から対象が観測されるので、三角測量の原理から対象の3次元形状を求めた。 [3]統合視覚システムの試作と実環境での評価:大局視、局所視を一体化した視覚システムを作成した。また、大学の廊下や実験室などの実験境下で実験を行ない、良好な結果を得た。
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