動的映像化実験手法とは、本研究代表者と分担者とが開発した方法であって、準動的載荷によって過去に記録された地震波を供試体に準動的に作用させ、その応答をコンピューターを介して具現する際に、ビデオカメラによる各微小時刻毎の撮影を行い、それを再生することによって、供試体の弾塑性地震応答挙動を実時間スケールでの動的映像として得る方法である。 本研究では、今回購入したビデオカメラおよびその周辺機器をシステム化することにより、一層の動的映像の質の向上を図るとともに、この手法を用いて鉄筋量や配筋方法の異なる鉄筋コンクリート柱の地震応答挙動を求め、この結果から合理的で安全な配筋方法を求めることができた。また、鉄筋コンクリート2層ラーメン供試体を用いて地震応答による崩壊の状況を把握した。これらの成果は、先般の阪神淡路大震災におけるコンクリート構造物の被災原因の解明、および補強や復旧をするに際して、極めて有用な情報として提供することができた。 本研究において、システム化した動的映像化装置は、1秒間に33フレームの映像を再生できるため研究当初の画像に比べ大幅に改良されたことにより、画面は極めてスムーズとなりほぼ完璧なものとなった。 この2年間にわたって行ったコンクリート構造物の動的地震応答の映像記録は編集整理され、コンクリート構造物の種類や配筋状態および耐震補強の程度に応じた地震時の構造物の応答挙動をパターン化したビデオテープを完成することができた。
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